誰のためのデザイン?のメモ
本記事は書籍「誰のためのデザイン?認知科学者のデザイン原論」を読んでメモしておきたかったことを箇条書きにしたものです。400ページほどありますが読みやすく事例も豊富で良い入門書なので、デザインを学ぶならとりあえず読んでおきたい一冊です。
誰のためのデザイン? 増補・改訂版 ―認知科学者のデザイン原論
- 作者: D. A.ノーマン,岡本明,安村通晃,伊賀聡一郎,野島久雄
- 出版社/メーカー: 新曜社
- 発売日: 2015/04/23
- メディア: 単行本
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- デザイナーの持つ概念モデルを、システムイメージ(物理的な構造・文書)で表現して、ユーザーが同一の概念モデルを構築できるようにする。
- 認知の3レベル…本能レベル・行動レベル・内省レベルすべてでデザインする。
- 本能レベルで好まれる、見た目の良いものを。
- 行動レベルで好まれる、思った通りに動作して、操作に対してフィードバックするものを。
- 内省レベルで好まれる、使用感や結果を振り返った時に評価されるものを。
- ユーザーが行為の七段階モデルに基づく質問に答えられるようにデザインする。
- ゴール:何を達成したいか?
- プラン:代替となる行為系列は何か?
- 詳細化:今どの行為ができるのか?
- 実行:それをどうやってやるのか?
- 知覚:何が起こったのか?
- 解釈:それは何を意味するのか?
- 比較:それで良いか?私はゴールを達成したのか?
- 強制選択機能は強力な制約であり、特に3つの手法がある。
- インターロック:操作が適切な順序で行われることを強制する仕組み
- ロックイン:よく考えずに何かをやめてしまうことを防止する仕組み
- ロックアウト:何かをすることを防止する仕組み
- エラーは2つに分類される。
- スリップ:意図していない行動をとってしまった
- 熟練者はタスクを無意識に行うことが多いため、スリップは初心者よりも熟練者に多く起こる
- 共同追跡チェックリストによるスリップ防止:副操縦士がチェックリストを読み上げ、機長が実行する
- ミステーク:行動は意図通りだが、そもそもゴール・プランが間違っていた
- 初心者に多く起こる。
- スリップ:意図していない行動をとってしまった
- エラーに関するデザイン上のポイント
- エラーを防ぐために制約を加える
- エラーが起きてしまったときに元に戻せるようにする(アンドゥや自動保存からの復元)
- 確認メッセージはスリップの防止には役立つがミステークの防止には役立たない
- 操作対象となっているものをより目立たせるのが良い
- 意味的妥当性チェック:普通はやらない操作を判断して警告する
- 集中することを前提とせず、熟練した無意識的な行為であってもエラーしないよう、はっきりと区別可能にする
- 理屈で作られた要求は常に間違っているし、必要なものを人に聞いて作った要求も常に間違っている。要求は、人が自然な環境にいるところを観察することで作られていくのである。